◆◇
僕は8日、9日と1泊2日で岩手出張にいってきました! 東日本大震災に関する2つのシンポジウムに参加することが目的です。今日はそのうちの一つ「東日本大震災の記録とその活用」というシンポジウムについてのレビューを書きたいと思います。
今回のシンポジウムは、「311まるごとアーカイブス」というプロジェクトの一環で開催されたもので(プロジェクトの設立趣旨やメンバー等についてはこちら)、主に被災者の方々が記録した震災関連の映像や画像等の記録データをいかに保存し、活用していくかがシンポジウムのテーマでした。
僕の考えでは、アーカイブ(記録を保存しておく場所)の管理は大きく3つの段階に分けられると思います。①記録をどうやって集めるか、②それをいかに公開するか、③公開されたものをいかに見 たり活用してたりしてもらうか、です。今回の記事では、特に②と③のプロセスについて、僕の専門である行政の情報公開と絡めて、書いてみたいと 思います。
僕の考えでは、アーカイブ(記録を保存しておく場所)の管理は大きく3つの段階に分けられると思います。①記録をどうやって集めるか、②それをいかに公開するか、③公開されたものをいかに見 たり活用してたりしてもらうか、です。今回の記事では、特に②と③のプロセスについて、僕の専門である行政の情報公開と絡めて、書いてみたいと 思います。
◆◇
僕は「アーカイブ」とは何かを考えたときに、 それは「ニュース番組」の反対の概念として理解すればいいのではないかと 思っています。
ニュース番組はその時々の最新の話題を、なるべく早く、 不特定多数の人に届けるというPush型モデルです。 そこでは、速報性と話題の一般性が重視されます。それに対して、 アーカイブは、過去の話題を、時間に関係なく、興味を持った人が取得するPull型のモデルとして理 解できます。
このように考えると、「アーカイブの活用」とは、 保管されているアーカイブに興味を持った人が、 それにうまくたどり着き、データをうまく利用できること、 と理解できるのではないでしょうか。そうであれば、 アーカイブとは不特定多数の国民が利用するというものよりも、 そのデータに特に強い関心を示す一部の人々( 多くの場合は研究者でしょう) が利用したいときに利用できるようにしておけばよい、 ということになるでしょう。
しかし、今回のシンポジウムでは、 アーカイブを広く一般の国民に見てもらい、 震災の記憶を風化させないためにはどうすべきか、 というかたちで議論が進んでいきました。
これはもはや「アーカイブの活用」というレベルを超え、「 コンテンツの発信」というレベルの議論になっています。言い換えれば、震災関係の記録資料を、 特定の人がごく限られた目的で利用する「アーカイブ」 に留めるのではなく、さまざまな人々が多様な方法で利用する「 コンテンツ」として位置付けるべきだ、ということです。
ニュース番組はその時々の最新の話題を、なるべく早く、
このように考えると、「アーカイブの活用」とは、
しかし、今回のシンポジウムでは、
これはもはや「アーカイブの活用」というレベルを超え、「
◆◇
僕が研究している行政の情報公開ではよくある問題として、「
こうなってしまう原因は、①提供される情報が十分に整理されていない、②情報の受け手側にそれを
①
これに対して②は、利用者サイドの課題です。
こうした行政の情報公開の現状を考えると、
◆◇
東日本大震災からまだ7ヶ月ですから、
そうなっていくときに必要なのは情報の送り手の側が、
そしてそれに加えて、ニュースの提供も重要です。ニュースの内容とアーカイブに蓄積されているデータをリンクさせる、偶然ニュースを見に立ち寄った人が、
◆◇
今の時代は情報が溢れています。
しかし、戦略的に情報を送り出し、
「神は細部に宿る」
※ニコニコ動画のプレミアム会員になるとこのシンポジウムの動画が視聴できます。
0 件のコメント:
コメントを投稿