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2012年6月4日月曜日

第2回!院生によるBook Jockyイベント開催!

先週の金曜日に、第2回Book Jockeyイベントを開催しました。
(前回の様子はこちらです)














そこで僕が紹介した本をご紹介します!


★★
1.高橋秀実『からくり民主主義』(新潮文庫、2009)【620円】
僕が知るなかでもっとも読みやすく、かつ本質をついた民主主義本です。

民主主義の「フィクション性」をゆるいタッチで描いてますが、
その急所をしっかりと突いている。著者のジャーナリスト魂が光ります。

意外や意外、この本の解説はあの村上春樹。内容も素晴らしい。
解説から読み始めると、著者との距離がぐっと近づくはず。
(この本は以前ブログで取り上げました)

2.山本七平『空気の研究』(文春文庫、1983)【490円】
よく「空気を読む」といいますが、そのときの「空気」って何だろう?
そんな疑問に挑んだ歴史的名著です。

著者は「空気」が発生するメカニズムを、「対立概念で対象を把握することの排除」に見ました。
本来相対的に検討すべき複数のことがらのうち、ひとつを絶対的な存在へとあがめ奉り、その他を全面的に排除するということです。

日本では空気で物事が決まるといいます。
僕は自分がそんな状況に直面したときも、この本の内容を思い出せば、空気をひっくり返せるような気がしてきます。

空気を読みたい人にも、読みたくない人にもおすすめです。

(こちらも以前ブログで取り上げました)

3.イェーリング『権利のための闘争』(岩波文庫、1982)【567円】

僕は高校時代にこの本を読みました。
あまりに感動して、一時期この本の題名をメールアドレスにしていました(イタい)。

そんな思い入れのある本です。

「権利のために闘うことは、自分だけではなく、国家や社会に対する義務である」
こんな熱(苦し)いメッセージを前面に出した本です。

以前、僕の師匠が、「民主主義は『俺がやらなくて誰がやる』って人がどれくらいいるかで決まるんだ」と言っているのを聞いて、
この本のことを思い出しました。

自分のために、あるいは誰かのために闘うときに勇気をくれる本だと思います。
★★


第3回  6月15日(金)のイベントはこちらから申し込みできます。
ご参加をお待ちしておりまーす(^o^)





2012年6月3日日曜日

中学校で原発問題の授業をお手伝い(父と共演)

先日のブログで、杉並区立和田中学校の総合学習の授業をお手伝いしているとご紹介しました。

その授業が、今週の木曜日(28日)にありました。

テーマは「~原子力発電所、再稼動させる?させない?~」。
和田中学校の3年生が対象です。(授業の詳細はこちら)

授業詳細のリンク先に飛んでもらえればわかるのですが、
この授業のゲスト講師の1人はうちの父!

こんな感じで親子共演しましたよ〜。



それはおいといて(笑)。

ちょうど28日の新聞各紙の1面はすべて「首相、大飯原発再稼働容認へ」。
いいタイミングで授業が組めました。

授業は45分授業を2コマ連続でやります。
体育館に3年生の全クラス140名が集まります。

みんな椅子をもってぞろぞろと体育館に集合。
なんか懐かしい感じ(笑)




まずは校長から生徒たちに問題が出されました。

「福島原発の事故前に、日本の総電力に占める原子力発電の割合はどれくらいだったか?」
「現在、日本には稼動可能な原子力発電所はいくつある?」






答えは30%と、50基。みんな悩み顔。
答えを知っていた生徒は少なかったみたいです。

ここで第一回目のアンケート。

「政府が安全と判断した場合、原子力発電所を再稼動させてもよいか? 再稼働すべきではないか?」の択一問題です。みんな真剣に回答してます。


次にグループになって、専門家への質問を考えるために話し合います。
さすが1年生からこの授業を受けているだけあって、みんなスムーズに議論をスタート。これには驚きました。





5分の議論のあと、各グループの代表が質問を発表。
質問はプロジェクターに写します。



それに対して専門家が回答。

下は原発の構造を説明する父。難しい内容でしたが、みんなメモをとりながらしっかり聞いてます。


今回は原発再稼働の安全性基準についての質問には父が回答、原発停止が経済に与える影響については中央電力の中村さんが回答しました。

専門家の回答が終わったところで、前半の45分が終了。
10分の休憩に入ります。

すごいのが休憩中も生徒さんが質問に来ていたこと。授業に対するモチベーションが高い。


休憩が終わり、次に登場するのがコレ。iPad。


専門家の説明を受けて、 iPadを使って4名でグループワークをします。



グループワークでは、グループで再稼働賛成、反対を話し合い、グループでの結論を出します。違う意見を持った生徒が着地点を探りながら、意見調整をします。

そして議論の結論&その理由をiPadに入力すると、
それが先生のPCに送られ、各グループの結論が一覧に!
このシステムは富士通に開発してもらったそうです。


気になる結果は 、なんと「稼働賛成」50%、「稼働反対」50%。
全36グループが18対18で割れたから驚きました。

専門家と質疑応答をして、グループでじっくり話し合った結果、原発再稼働についての中学生の意見は真っ二つに割れました。これは軽視できない結果でしょう。

政府は政治判断で大飯原発の再稼働容認に動き、強硬に反対していた橋下市長も「負けといえば負け」と言って、事実上の再稼働容認を表明しました。


でも世論調査を見ると、原発の周辺自治体と大阪市では「反対」とする答えがいずれも半数を超えてるんですねぇ。

僕は再稼働容認派ですが、生徒たちの議論や世論調査の結果を見ると、政府の「政治決断」の正当性っていったい何なんだろうと考えてしまいます。

政治家がこの問題を必死に考えていることは間違いないですが、政治家に決断を任せているだけでは、国民がその結果に納得できるのでしょうか。中学生だけじゃなくて大人もじっくり考える機会が必要だと思います。

閑話休題。

最後に授業前の打ち合わせの話。

なんと代田校長先生のポケットマネーで給食をご馳走になりました。

メニューは親子丼、豚汁、きゅうりのナムル風、牛乳。
1食303円とのこと。



これが美味してびっくり。話を聴いてみたら、以前給食で文部科学省表彰を受けたことがあるそうです。和田中はなんでも一番にならないと気がすまないのか(笑)




給食を食べながら打ち合わせ中の代田校長先生(手前)と、ゲスト講師である中央電力の中村誠司社長(左)と、うちの父でーす。


2012年5月28日月曜日

和田中学校で授業のお手伝いしてます。


今年度から、杉並区立和田中学校の総合学習授業の設計に関わっています。

今日も打ち合わせで和田中に行って来ました。

校長室で打ち合わせをしていたのですが、それが終わると、生徒たちが校長室に雪崩れ込んできました。下は椅子をとられて困っている校長先生。


和田中学校の校長室は基本的にオープンで、生徒でも気軽に出入りできます。マンガも置いてあります。校長先生と生徒の距離はめちゃくちゃちかいです。下は生徒が校外学習でつくった干物をお土産でもらい喜んでいる校長先生(顔ぶれぶれ)。



★★
和田中学校は、リクルート出身の藤原和博さんが民間校長を務めていたことで有名です。

藤原さんは、都内初の公立中学校の民間校長として、PTAの廃止、大手の進学塾講師を学校に招いて有料で補習授業を行なう「夜スペ」や、地域の大人を授業に巻き込み自営業者やホームレスを講師に迎える「よのなか科」などを実施し、公立学校の常識を覆してきました。

いやはや、規則と慣習でガッチガチの公立学校でこれをやったのは本当にすごい。よく考えると、リクルート×公立中学校っていちばんミスマッチな関係のような・・・笑 藤原さんが校長に着任した時点で革命は始まっていたのでしょうねぇ。

★★
藤原さんは2008年3月に退任され、後任には再びリクルート出身である代田昭久さんが就任されました。僕はこの代田先生とともに「よのなか科next」という授業の企画設計をしています。

この授業は総合的な学習の時間に行います。3年生は、隔週で2コマずつ約25回(年間約50コマ)、1,2年生は、月1回の年間10コマをよのなか科nextに使っています。

なぜ僕が「よのなか科next」のお手伝いをすることになったのかというと、この授業と、僕の研究対象である「討論型世論調査」の設計思想が非常に似通っていたからです。僕の親しい後輩が研究の関係で和田中学校に出入りをしていて、討論型世論調査とよのなか科nextの親和性に気づいて、僕と代田先生を引き合わせてくれたのです。

「よのなか科next」は、「今の生徒たちが10年後、必ずや直面し解決していかなくてはならない社会の重要なテーマ」について、個別学習・グループ学習・全体学習を組み合わせて、生徒の【考える力】【伝える力】【聴く力】を伸ばし、社会で活躍するために必要となる、【他者と対話する力】を培うことを目的としています。

他方で討論型世論調査の目的は、世の中で意見が対立している政策課題について、一般の市民が【話し】、【学び】、【考える】というプロセスを体験することで、その問題についてじっくりと自分の考えを深める機会を提供することにあります。具体的にはランダムサンプリングを経て200〜300人の市民を集め、資料やデータの提供、市民同士の討論、専門家との質疑応答という「熟議」の機会を提供して、熟議の前後で市民の意見がいかに変化したのかを検証します。

僕は2009年の秋から曽根泰教先生のもとで討論型世論調査の企画設計や運営に関わってきました。2010年には藤沢市で2度の調査を行い、2011年には日本で初めて全国規模での調査を実施しました。この調査で得たノウハウで誰かのお役に立てないかなと思っていたところ、代田先生と出会ったというわけです。運が良かったです。

★★
今年度の「よのなか科next」では、これまで「風評被害問題」と「がれき処理問題」を扱いました。がれき処理問題の回はNHKのニュース9などで取り上げられました。(こちらのブログで報道の様子が紹介されています)

よのなか科nextでのアンケート結果は後日分析を行い、公表する予定です(代田先生や研究パートナーと相談中)。また、よのなか科nextの授業によって生徒たちにどのような変化が生まれたのかも、継続的にアンケートをとって検証していきます。

次回の「よのなか科next」は原発再稼働問題。現在鋭意準備中です。こちらのブログでも授業の内容をご紹介できればと思っています。

最後に校長先生と生徒さんたちの写真を一枚。

こういう雰囲気の学校だから、心から「お役に立ちたい!」と思えるのでしょうねぇ。

それはそうと、頭に巻いてるのは何だろう?(笑)





2012年5月21日月曜日

「本を肴に、美味しいお酒と料理を楽しむ」イベントを開催しました

先週18日(金)、院生仲間5人でイベントを開催しました。

イベントのコンセプトは「本を肴に、美味しいお酒と料理を楽しむ」。
立川の小さなカフェを借りて、2週に1回のペースで3ヶ月ほどイベントをやっていきます。

会場はこんな場所。定員は15人ほど。


リビング・ダイニング風のキッチン。メンバーが料理を振る舞います。


飲み物のメニューとイベントのご挨拶。


紹介する予定の本はこんな感じでディスプレイ。


このイベントの中心は”Book Jockey”という本のレコメンド手法です。
(手法といっても僕らがこのあいだ考案したもので、全く広まってません笑)
Book Jockeyは、DJが音楽をremixして途切れなく音楽を流していくのと同じイメージで、数人のBook Jockey(BJ)が1人3分で自分が選んだ本を紹介し、それを途切れなく連続で行なっていくというものです。

ここに並んでいる4人がBJです。
ビールを片手になごやかな雰囲気。


いちばん右から石橋一希(首都大M2/都市計画)、僕、下西風澄(東大情報学環D1/哲学、身体論)、連勇太朗(慶応政策・メディア研究科D1/ 建築)。もうひとりここにはいませんが、助友文香(首都大M2/空間デザイン)の5名がメンバーです。

BJは自分の本を紹介する際に、必ずその本と前の人が紹介した本を関連づけなければいけません。ここをいかにうまくできるかがBJの腕の見せどころ。
前の人の本と自分の本の関連を1分で説明した後に、本の紹介を3分で行います。今回は石橋、僕、下西、連という順番にしました。


制限時間の1分と3分は厳守。
下の写真を見ると、机左側にiPadがあるのがわかると思います。
この時計アプリで時間を管理します。
時間超過してもプレゼンを続けると客席からはブーイングが来ます(笑)

事前にどのBJが何の本を持ってくるかは、お互い秘密にしています。
前のBJが本を紹介する3分間で、次のBJは自分の手持ちのなかからどの本を紹介するかを決めなくてはいけません。これがなかなか難しい。自分の番の10秒前までどの本を紹介するか悩むこともあります。このLIVE感こそがBook Jockeyの魅力だと思っています。

本を紹介しているときはこんな感じ。けっこう緊張感があります。


今回のイベントで紹介された本は以下の12冊です。


・1ターン目


・2ターン目


・3ターン目

1ターン目から3ターン目までノンストップで12冊を紹介します。

連⇒石橋へのターンまたぎの際は、石橋は連の紹介した本を受けて自分の本を選んでいます。2ターンから3ターンへのつなぎをみると、隈研吾が連続してます。Book Jockey的にはこれは反則かも(笑)。

リー・クアンユーとダ・ヴィンチがどう繋げられたのか、ゲーテと隈研吾はどんな関連があるのか、気になりませんか? 来てくれたお客さんのなかには、「本と本との間のインターバルの話がいちばんおもしろかった」とおっしゃる方もいました。このおもしろさはぜひLIVEで体感していただければと思います。

最後にメンバー特製の料理の写真を少し。イタリアンレストランで数年バイトをしていた連の特製ペンネです。




次回のイベント開催は6月1日(金)18時15分〜の予定です。
場所は立川のクラウドカフェ。

興味がある方は僕のメールアドレス(marin.mat2 [@]gmail.com)までご連絡ください。

会場が小さいため、参加希望者多数の場合は抽選となります。
たくさんの方に興味を持っていただければ嬉しいです。

2012年4月30日月曜日

高齢化社会は若者のための社会なのである

先週の金曜日、非常勤先の同僚の先生に声をかけていただき、
社会人主催の勉強会に参加してきました。

アジアの話をすれば内容はなんでもありという研究会で、
今回のテーマは「三等船客のアジア」でした。
おもしろそうでしょ?(笑)

会場に行ってみると、だいぶ年齢層は高め。
大手総合商社を定年された方が多く、
皆さん駐在で長くアジアにいた経験を持っておられました。

さて、今日はその勉強会で、「こんなおいしい思いをした!」という話です。

1.研究会に参加していた学生は僕1人。いるだけで目立つ。みんな質問なども譲ってくれる。

2.研究会の参加費は学生なのでタダ。社会人でも20代なら500円、(僕は社会人と学生の中間なのですが、ご配慮によりタダで済みました)

3.懇親会でも目立つ。年配の方は若い人と話すことに飢えているようで、入れ代わり立ち代わりで色々な方が話しかけてくれる。さまざまな興味深い話を聞けましたが、一番おもしろかったのは、商社時代にマハティールとクアランプール空港をつくった、という方のお話でした。

4.懇親会の会費も学生割引。さんざん飲んで食って1000円。

5.懇親会後もおいしい。懇親会のあと家に戻ると、懇親会でお話しした方から早速メールが。「先ほどのうちが主催するセミナーの話です。満席と言いましたがもしかしたら空きがでるかもしれないのでエントリーしませんか? ゴリ押ししてみます」との超ありがたいお申し出をいただく。

6.そもそも勉強会に誘って下さった同僚の先生は69歳のグローバル企業OB。大学の懇親会でお話ししただけなのに、すぐに勉強会のお誘いをくださいました。

1つのイベントでこれだけおいしい思いをしたのは生まれて初めてかもしれません。高齢化社会で若者は割を食うとかいいますが、そんなの嘘っぱちじゃないかと。

若者が少ないぶん、少し目立てば年上の先輩方が色々と面倒を見て下さいます。僕らは高齢化社会という名の、過去に例を見ない「メンター充実社会」に生きているのです。

これはもう、先輩方に甘えさせてもらうしかない。成長して偉くなったら恩返ししましょう。メンターの皆さん気力体力が充実していますから長生きしてくれるでしょう。

あの研究会の場に、学生はもとより20代が僕一人ですよ。もったいなさすぎる。世の中には若者が入っていける場はまだまだあるはず。メンターを見つけて引き上げてもらいましょう。

高齢化社会は若者を応援してくれるメンターがたくさんいる社会です。しかもみなさんが日本の高度成長を支えたスーパーな人たちです。こんな時代に若者でいられるって最高じゃないですか。貧乏クジ世代とか言ってる場合じゃないですよ。

メンターを探しに繰り出そうじゃありませんか。